ブックオフで、ひしめき合ってた。―「都市」ブックオフ!?―
今日はブックオフに行ってきました。
(↑ブックオフ公式アカウントより)
大型店舗に行ったのですが、少し驚いたことがありました。
ものすごく、ある場所がひしめき合っていたのです。
お店の構造はというと入口近くには衣類など書籍以外のもの、
そしてその奥に続いて、CD、小説、漫画という感じでした。
お店に入ると、土曜日ということもあってかお客は少なくはありませんでしたが、
「うわ、混んでいるな」という印象はありませんでした。
夏物大量入荷、との店内放送があったので、まずは衣類コーナーをチェック。
同じハンガーラックに多様な色、形、ブランドが混沌としているので、
見ていて楽しかったです。
次に、書籍の小説コーナーへ。
ここも人はそれほど多くありませんでした。というより、衣類コーナーより閑散としていたかもしれません。
ブックオフは、最新刊だろうが古本だろうがまとめて店内に置いてあるので、
思いがけない本との出会いがあったりします。
(大きい図書館にもない文献がひょいっとある場合もあり、以前助かったことがありました。懐かしい。)
小説コーナーを一周し、買いたいなと思うものには今回出会えなかったので、
さらに奥に進むことにしました。
最奥部、そこは別世界でした。
ものすごい光景が目に飛び込んできて、思わず、どきり。
これより以下表現がやや適切でないものがありますが、見た瞬間心に浮かんだ言葉を書きます。
人が「うじゃうじゃうじゃうじゃ」いたのです。
そう、ここは漫画コーナー。
少年漫画コーナーには男性の「群れ」
少女漫画コーナーには女性の「群れ」が。
年代は10代~50代くらいと幅広く、
通路を埋め尽くすように各々立ち読みしていたのです。
中には座り込んでいる方も。
人気の「ジャンプ」コーナーなどは、通路を通りぬけることなどほぼ不可能。
何の漫画が売られているのさえ把握できません。
私は何時間もその場にいたわけではないので正確には分からないのですが、
この「群れ」の方たち、どうも「とりあえず試し読み」
ではなく「がっちり読み」のようです。おそらく一日中いる方もいるのだと思います。
なぜなら、漫画コーナーには人の動きがなかったからです。
見て回る人など一人もおらず、誰もがじっとして読み続ける。
動きがあるとすれば、ナルト61巻を棚に戻し62巻を手に取る、くらいなものです。
動きも、話し声もない。
ヤンキーも小学生も、みんなそろって静か。
誰かに狙われているの?と思うくらい、皆息をひそめている感じでした。
入口からみれば、最奥部にこんなにも人がいるなんて気づかないです。
広いとはいえない通路に、密集して立ち読みする「初老、若男女」。
なんだか少し異様です。
おそらく毎週このような感じなのでしょう。日課になっている人もいるのでしょう。
立ち読みが許容されている、というときの効果として
コンビニなどは
「お客が店に入っていることを外から見えるようにして店が盛況している感じを出す」
とか「防犯対策」とかありますよね。
その場合立ち読みコーナー(雑誌漫画コーナー)は窓際入り口近くだと思います。
(*「立ち読みご遠慮ください」のコンビニも最近増えてきていますが。)
しかし、このブックオフは人が「うじゃうじゃうじゃうじゃ」いる漫画コーナーを
店の最奥部に配置しているんですよね。
人が集まるところを奥に配置する、というのを考えてみると
洋服店がセール品を店の奥に置く、
百貨店が催事場を最上階に置く、などありますが
その効果はそこに行く過程(orそこから帰る過程)でお金を落としてもらうということだと思います。
ここで重要なのは、たとえ過程でお金を落とさなくても、セール品や催事場でお金を落とす可能性が十分にある、ということです。
しかし、ブックオフの最深部にいた方たちは、多分漫画にしか興味がありません。
というか、買い物にきているわけではないと思います。
となると、どうも店側はこの漫画コーナーを店の奥深くに「隠している」のではないかと感じずにはいられません。
それくらい、漫画コーナーの印象は最悪でした。
売り上げが立ち読みによってプラスになっているのでしょうか。少し疑問です。
せめて、快適に商品を手に取るレベルには制限してもらえるといいなーと思いつつ、
「群れ」を見て漫画を見ず店を後にしました。
*****
と、ここで終わらせようと思ったのですが、
どうしても「漫画コーナー」に価値を見出したい。
悪口だけ言って終わりでは意味ないですからね。
なので都市論の観点で考えようと思いつきました。
都市論についてはアマチュアなので間違っているかもしれませんが、(都市論もっと勉強しておけばよかった・・・。)
「歌舞伎町あっての新宿」、のように、「漫画コーナーあってのブックオフ」なのではないか、と考えてみます。
高層ビル群と歌舞伎町が一体となって新宿。衣類コーナー小説コーナーと漫画コーナーが一体となってブックオフ。
そう考えると、このブックオフは混在性=都市性をもった「都市」であると考えられます。
ブックオフを「都市性」をもったものと考えると、都合のつくことがあります。
ブックオフの「所在地」です。
隈研吾・清野由美『新・都市論TOKYO』(2008年1月 集英社新書)には
再開発が進み都内に「都市性」が失われる中
「町田」が「混在性=都市性」を保持している街として紹介されているんですよね。
「町田」といえば、超最大級の「ブックオフ」があるところです。
都市性という共通点から考えると、
超最大級のブックオフが町田にあるというのは、ブックオフが「町田らしい」店であるからではないかと考えることができるのです。
いろいろ脱線しながら考えてみましたが
まとめると、
(今日行った)ブックオフの漫画コーナーは
ブックオフを「都市」たらしめる存在である。
漫画コーナーの立ち読みは禁止(浄化)してしまうと
ブックオフの「都市性」は失われる。
という考えに至りました。
この考えが合っているのか間違っているのか、
今度ブックオフの店員さんに聞いてみたいと思います。
目を輝かせながら「ブックオフはやっぱり『都市』なんですよね!!」と。
きっと、今日私が「うじゃうじゃうじゃうじゃ」を見たときの顔と同じような顔を店員さんはされるでしょう。
それではまた。