実写化の「原作と結末が違います」問題。
最近のドラマにしても、映画にしても、
実写化というのが多いですよね。
今期ドラマ17本のうち(こんなにあるのか。)、
どれくらいが実写化のものか調べてみると、、
ペテロの葬列
あすなろ三三七拍子
ST
同窓生
家族狩り
金田一少年の事件簿Neo
の8本で、半数近くが原作のあるドラマでした。
映画でも、今公開中の
『思い出のマーニー』『渇き。』
今後の注目作で言うとマンガ原作の『寄生獣』『進撃の巨人』など
たくさんあります。
実写化になると注目されるのは
キャスティングです。
キャストをスターで固めると、
どうしても、原作とのイメージがずれてしまうのは
当たり前かもしれません。
かといって、
素人をオーディションして、イメージとぴったりの人を
キャスティングしても、演技が下手だとどうにもなりませんし。
制作側もお客をたくさん入れないといけませんから
ある程度、キャスティングに関しては
見る側の妥協が必要なのかもしれません。
こればっかりは、しょうがない。
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しかし、
原作を実写化するときに
いつも気になることがあります。
結末が原作と違うものになっている、
というものです。
実写化にあたりオリジナルキャラを登場させるというのは
ありかなとは思いますが、
大事な大事な結末を原作と変えるって、
そんな簡単にしていいのかなと思ってしまいます。
しかも、宣伝とかするときに、
「原作と、結末が違うものになっています!!(ドヤッ)」
とか、すごく自信たっぷりに、
いいことをしたかのようにいいますよね。
これが、よく理解できません。
出来るだけ忠実に、丁寧に
実写化をしているのであれば、
物語の結末など変える必要がないように思えるからです。
だって、そもそも結末あっての原作を読んで
「これをぜひ映像で!」と思い立って制作に踏み切るわけですから。
世界観をなるべく崩さないようにするのが、
原作に対しての、そして原作ファンに対しての配慮です。
なので、
結末を原作を変えている、ということを
高らかに宣伝しているドラマとか映画は、
実写化のクオリティに自信がなく、
苦し紛れに原作ファンの気を引くために
そうせざるを得なかったのかなと思ってしまいます。
もちろん、結末変えてよかった作品もあるとは思いますが。
*
実写化に際し、原作と結末が違う。
こういうものは、そもそも、
原作が映像に不向きなものなのではないでしょうか。
ドラマは今期だけで17本と数多くありますし
映画も年に多く公開されています。
その分ネタが必要。
オリジナル脚本を用意する金も時間もなく、
また原作ファンを視聴者・観客にとりこめるため
マンガ小説原作に頼らざるを得ない。
「原作と結末が違う」問題の背景には、
数撃てば当たる的な姿勢で
安易に実写化を決め作品を乱立させていることがあるのかな
と思います。
まあ、
根っからの原作ファンの方なら
実写化など、パロディーくらいの感覚で楽しんでいるのかもしれませんけど。
しかし、
ドラマや映画の評判によって
原作の評価が上下することが往々にしてありますから、
もっと慎重に「実写化」をしてもいいのかな
と思います。
そんなことを、
本屋の小説コーナーに並ぶ
無数の「今夏ドラマ化!!」「2015秋公開!」
の帯を見て、思ったのでした。
実写化しすぎ。実写化に頼りすぎ。
ではまた。