なまもの、けものブログ

70%ニートが、なんてことないことをかくブログです。

図書館が、やっぱり好きだ。―あの本と、運命の再会。―

こんばんは

 

一ヶ月以上前にトピックになっていた「本好きへの100の質問」。

僕も便乗して書いたのですが

「本好きへの100の質問」に答えてみた! - なまもの、けものブログ

 

それ以来ずっと頭にひっかかっていたことがあったのです。

それが、読書感想文に関する質問。

 

 

053. この本で読書感想文を書いた、という記憶に残っている本はありますか? あれば、そのタイトルは?

 あるのですが、タイトルが思い出せません。不可思議な生物を子供たちで育てるというET系の児童文学でした。

 

これこれ。話の内容はなんとなく覚えていたのですが

タイトルも筆者もわからず、検索のキーワードも思いつかず、

ずっともやもやしていたのです。

 

今日は、地元の図書館に行くことができたので、

この本を探してみることにしました。

貧乏なもんで、読書感想文は全部この図書館で借りた本だということは絶対に間違いないからです。

 

 

着いてまず、検索機の前に立つものの、やはりキーワードがわからない。

司書さんに「不可思議な生物を子供たちで育てるというET系の児童文学」ありますか、なんて聞く勇気もないし・・・。

 

そこで、児童文学のコーナーに直接いってみることに。

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児童文学コーナーって結構冊数ある。

この図書館からもうなくなっている本かもしれない。

誰かに借りられているかもしれない。

しかし、今月の目標は「とりあえず、やってみる」だ!よっしゃ一斉捜索だ!

 

ということで

祝日なので子どもたちが結構いましたが、そのなかに混じって

かすかな記憶の断片を頼りに、端から見ていくことにしました。

 

 

「これかっ?(パラパラ)・・・ちがうなあ」

を繰り返すこと数回。

 

 

数回で、なんと見つかってしまいました。

 

ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫)

ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫)

 

 

この表紙とタイトルをみた途端に脳に電流が走りました。

「こ、これだ!!」

まるで、未解決事件の物的証拠を見つけたかのように。

作者名がア行だったことが、早期発見につながりました。

 

 

もう、ニヤニヤがとまりません。

子どもたちの中で、この本を手にニヤニヤしてしまいました。

 

 

借りて家でゆっくり読もうかと思いましたが、

それ以上に見つけられた興奮、いや再会できた興奮が抑えきれなくて

早速館内の座席を見つけ読み始めました。

 

 

岡田淳『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』

初版は1979年。カバーのそでには、このようにあらすじがまとめられていました。

 

ムンジャクンジュって、いったいなんだ?

毛虫のように見えるけれど、ふわふわしてぬいぐるみみたい。

いいにおいがして、人なつっこいところもある不思議な生きもの――

伝説の山・クロヤマで良枝が花畑を見つけた日から、

やがて大騒動が持ちあがってゆく15日間の物語。

自然とひととのかかわりあいを考えさせる傑作児童文学。

 

 

ムンジャクンジュというのは毛虫みたいなフワフワした生物で

クロヤマに生えている希少な花しか食べられない。

日に日に成長し、食べる花の量も多くなっていくが

希少な花に魅せられた人がクロヤマから伐採していくため騒動になっていく、、

というお話です。

 

 

2時間くらいであっという間に読み終わってしまいました。

とても、おもしろかった。さすが傑作です。

 

まず、ムンジャクンジュがめちゃくちゃかわいい。

毛虫みたいなんだけれど、触感とか仕草とかがとても丁寧に表現されているので

物語を読み進めるうちに愛おしくなってきます。

 

そして、あらすじ紹介にもあった

「自然とひととのかかわりあい」という部分も、絶妙。

ジブリの「もののけ姫」と根底は共通していると思います。

ただ、自然と人との対立というと、

普通「人=大人」になんとなく限定されているのに対し、

ここでは児童文学ということもあって

子どもも立派な自然に対立する者(=破壊者)の一端であることを盛り込んでいる点が特徴的です。

 

ムンジャクンジュとのかかわりあいを通して

主人公の小学校のクラスの子どもたちの成長も同時に描いているのですが

読み手の僕も、このクラスの一員になった感じで

まっすぐで、純粋で、背伸びしても届かずやるせない思いをした

自分の小学生時代を思い出し、投影しながら、読んでしまいました。

 

 

本好きの質問に答えてからずっともやもやしていたことが晴れたこと、

そして物語の内容がとってもよかったこともあって

非常にすっきりとした気持ちで、日が傾きかけたころ図書館をあとにしました。

帰り道、秋の空気がとてもさわやかに感じた。

 

 

今回運よくこの本と再会できたのは

検索機に頼らないで(というか頼れなくて)

本棚に直に向き合ってチマチマ探そうと思えたから。

やっぱり、時間はかかるけれども直に向き合うことは大切なんだなと思う。

 

 

 

僕はこんな再会をさせてくれる図書館が、やっぱり好きだ。

 

 

ではまた。