ツンとなった、ネギ栽培記。
こんばんは
僕は、何かを育てることが好きだが
最後まで面倒を見ることができないという、
小さな悪魔のような心を持っている。
結局、手間のかからない植物を育てるのがオチで、
ゴミになるはずの切れ端を水につけて
ネギを育てていた。
始めは、少し伸びたら食べてしまおうと思っていたけれど
グングン伸びるもんだから
もうちょっと、もうちょっとと
食べるのををあとにあとに伸ばしていた。
今日もまだ食べないはずだった。
*
今朝ネギは、容器ごと床に倒れこんでいた。
昨日の地震のせいで容器が少しズレたのかもしれない。
青々と伸びた身体は、もう無理だよと僕に頭を垂れていた。
「やってしまった。」
もっともっと伸ばそうなんて考えずに食べていれば
地震が起きたあと、容器の確認をしていれば
こんなことにならなかったはず。
(株で失敗する人の気持ちが分かった気がしました。
そして、僕は株をやらない方がいいと思いました。)
「まだいける、まだいける」
なんて、自分に向けて使う言葉だ。
人に、ネギに、強要するものじゃない。
ネギとは会話できないことをいいことに、
完全な善人のつもりで食べ時をあとに伸ばしていた僕は
とんでもない未熟者だった。
*
今日の晩御飯で、美味しくいただいたけど
しなしなになったネギに、ちょっと鼻がツンとなった。
(Yの字になっている左部分に、痛々しい痕が見えます。ごめんネギ。)
ではまた。