生きる意味、生かされる意味。 ―「アントキノイノチ」を見た―
こんばんは
録画していた映画「アントキノイノチ」を見た。
さだまさしの原作は、
大学入ったころに読んだことあったのだが
そのときに印象に残っていることといえば2つあって
1つは、遺品整理の仕事を初めて知ることができたということ
もう1つは、朗らかなイメージのさだまさしがこんなドスンと重苦しいことを書けるのかという驚きである。
これが、僕にとってはじめてのさだまさしの本だった。
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映画は、この原作の世界観をうまく引き出していると感じた。
なにしろ、役者が素晴らしいのだ。
主演の岡田将生はこれでもかってくらい繊細な表情・動作・話し方をしていた。
彼は天真爛漫な役を演じることが多いと思うけど
どこか影があり、闇を抱えている演技をしている岡田君の方が
僕は好きだなと思った。
「Nのために」でも暗い重荷を背負った人物を演じていた榮倉奈々は
この映画でも怖いくらいに自然体だったし
原田泰造ですは、あの本のままの「佐相さん」だった。
この3人以外でも
登場する役者はいわゆる実力派っていわれるような方々がずらりと揃っていて
その役者たちの「仕事」ぶりをみるだけでも
この映画を見る価値はあると思う。
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人について。命について。生きることについて。
原作を読んだときとはまた違った思いが僕の中に生まれた。
なんで人はこんなにも
こわれやすくて、つながりたくて、あたたかいんだろう。
杏平とおなじように
僕も生きている意味が分からなくなるときがあるけど
生きている、ただそれだけで
充分生きている意味になるんじゃないかと最近思う。
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最後に、レビューやらを見ていたら
やたらタイトルが批判されているんだけど
僕が最初にこの本を手に取ったのは
本屋でこのタイトルが目に入ったからなので
僕はこのタイトルに感謝したい。
さらに、氏が重用している
「元気ですか」って
とても短い、身近な
生の肯定だと思うから
この上ないタイトルではないだろうか。
ではまた。