声優がいて、サンタはいないことに気付いたのはいつだっただろうか。
こんばんは
「こんな顔をされていたんだな」
有名なキャラの声優さんの顔を見ると
見てはいけないものをこっそりとみてしまったような
そんな感覚に襲われる。
中島くん役を務めた声優、白川さんが亡くなったニュースを見たときも
同じ気持ちだった。
そのときは、カツオ役の冨永さんの顔も掲載されていたから
「この二人が絶妙な掛け合いをしていたんだな」と
スタジオの様子を想像した。
写真しか見たことがないけど、
きっとこの二人は、劇中と同じく笑いながら仕事をしていたんだろうなあ。
*
ところで、
僕はいつからアニメキャラに声優がいることを知ったんだろう。
いつから、
アニメキャラの声は、アニメキャラの本当の声ではなく
別の名前を持った人の声だと知ったんだろう。
いつから、
違和感なく受け取れるようになったんだろう。
親が教えてくれた覚えもないし、
声優の存在を知って激しく落ち込んだ覚えもない。
なんとなーく僕が成長するにつれて
なんとなーく社会の自明の事実であることを察知し
なんとなーく「えっ、アニメキャラが実在しないことなんて知ってましたけど!?」ってフリをするようになった。
サンタも、僕にとってそんな感じだ。
親からサンタの種明かしをされた覚えはない。
声優がいるということ、
サンタがいないということ。
これを当然だと思うようになる、
その地点が
こどもとおとなの境界なのだとしたら
その線は
遠くから見るとはっきりもしていて、
近づくとあいまいなんだろう。
だから大人になって振り返ると、
歴然とした認識の違いが発生したときが
ぼやけてみえてしまうんだ。
というか、
こんなこと考えてしまうこと自体
僕は絶対的に成長してしまったなあと思うわけです。
ではまた。