永野が好きになった。 ―永野、ラッセンを買う―
こんばんは
ラッセンがっすっき~~~!!
というしゃがれた叫び声が、
ぐるぐるぐるぐる頭をめぐって離れようとしない。
そうとうの引力が、あの芸にある。
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ネタのポテンシャルが高すぎて
勢いさえあれば誰が真似しても本人より面白くなってしまうというのが
芸人としては考えようだが
あの番組の空気感にはぴったりだ。
メインテーマとなっていたラッセンは、
僕が思春期に入る前くらいまでは、こよなく愛した画家である。
幼稚園、小学生くらいのときは
近くで展覧会があれば、親につれていってもらって
買いもしないのに、何時間も居座っていた。
中学生のときに初めて携帯をかったときも、
待ち受け画面は、ラッセンの絵にしていたと思う。
どのタイミングで僕のラッセン愛が下降していったのかは定かではないが
いまでも人並み以上には好きである、と思う。
でもさあ、あんな高いなんてびっくりしたよ。
原画のお値段は納得だけど
版画で百万近くだなんて。
このコーナーが始まった時は
僕もラッセンが買えるくらいの人生にできればいいなーとか
軽く考えていたけど
永野の汗の量が増えるにつれて
僕もマネーという価値の現実に心が震えていった。
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番組後半で永野がポロッ(ボロッ、か?)と口にした
永野ヒットの法則が、印象に残っている。
それは「ハングリーさを演出」すること。
彼は本当は一戸建て住みの既婚者だけど、
六畳一間って吹聴した方が、
周りに「永野を応援したい」と思わせられるんだそうだ。
僕は永野のように踊り狂うことはできないけれど
ハングリーさを演出することは、ぜひ今後の人生に取り入れていきたい。
うそじゃないもんね、演出だもんね。
ラッセン好きだということ、
意外に緻密に計算して成り上がってきたということ、
永野のいろんな側面が垣間見れて、
「永野を応援したい」と思わせてくれたコーナーでした。
って、これも永野ヒットの法則にハマってしまったということなのかな・・。
ではまた。