生まれ変わったら、手帳にだけはなりたくない。
こんばんは
まだ僕の雰囲気に慣れていない真新しい手帳に予定を書き込もうとしたら
ペンがカスッカスッと不吉な音をたてた。
インクが切れてしまったようだ。
僕はいつも手帳に黒一色で書き込む。
でも、手帳につけてあるペンはなぜか3色ペンなのだ。
そのほうが、何かあった時にいいかもしれないという保険のような気持ちで。
でも、使う色は黒だけなので、
当然黒だけなくなっていく。
大学生の時は、他の色のインクを減らすために
ノートを全部青色で書いたこともあったけど
いまはそんな機会もない。
青と赤だけ、たんまり書ける状態になっている。
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手帳には、やっぱり鮮やかな色はいれたくないなと思って
そのときには何も書かずに覚えておくことにした。
家に帰って、書ける黒ペンで書き込もうとしたけど
そこに至るまでの時間で、別に書き込むようなレベルの予定でもないな
という思考になり、結局書かずじまいで終わった。
僕みたいな暇人間だと、予定くらい全て頭で把握できてしまう程度の人生なのだ。
暇なのに、予定もそんなにないのに、
あえて手帳に書き込むのは、単に充足感を得たいだけだったのかもしれない。
12月にもなるとやつれて馴染んだ手帳を手にしていタイと思うのは、「生きた」満足感を得たいだけだったのかもしれない。
まだピンピンの手帳は
1年かけて僕のエゴに汚されていってしまうんだ。
生まれ変わったら、手帳にだけはなりたくない。
ではまた。