トラックの体温
こんばんは
今日は時間があったので
工場・倉庫地帯をぶらぶら歩いてきた。
だだっ広い道路。歩道には作業員が行き交い、その脇を重量トラックがぶおんぶおん言いながら駆け抜ける。
そのトラックが残していく灰色な風は、気持ち悪いほど生温かかった。
あれがトラックの体温なのかもしれない。
僕は歩き続けた。
目的はない。
ひとりモヤさまできればよかったんだけど
そんなの無理だった。
工場地帯には、モヤモヤがない。
僕の感覚が鈍いだけかもしれないけれど
整いすぎているのだ。
あれだけ効率を重視しムダを排除されると
モヤりのかけらもみることができない。
つまらない、つまらない、つまらない、と確認しつつ一本道を歩き続けていたら
気付けばかなりの距離を歩いていた。
なにも面白い発見がなかったこと、
知らぬ間に遠い距離を歩いてきたこと、
出発地点にしたガソリンスタンドの看板が親指ほどの大きさになっているのをみたとき、散歩ハイは解かれてしまって疲労感がどっと押し寄せてきた。
工場の生産ラインにのせられた商品って、
こんな気持ちなのかもしれない。
トラックのあの生温かさが恋しくなりながら
来た道を引き返す
6月後半の夕暮れだった。
ではまた。